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乗っ取られ日記

偽島PC 大河(351) の覚書
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05.06.09:45

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05.23.22:03

2日目日記

ようやく偽島に辿り着いた。
ここまでの道程で、精も根も尽き果てている。
この島で、目的は達せられるだろうか?
薄れ行く意識の中で、誰かの声を聞いたような気がしたが、
そのまま大河は、深い眠りに落ちた。




早朝の清涼な空気を切り裂いて二つの影が重なる。
と、同時に大河の刃が緋色の鬼を貫いた。
「これで終わりだ!、鈴鹿」
長きに渡る戦闘により、二人には疲労が色濃く影を落としている。
どちらが命を落としてもおかしくない戦いだったが、鬼の急所を
深々と貫いている大河の刃が致命傷となるだろう。
「儂としたことが油断したぞ、なかなかやりおる。
 だが、儂もここで消滅するほど現世に未練がないわけじゃないでの」
「お前はここで消滅するんだ!」
緋色の鬼‥鈴鹿に止めを刺すべく、太刀の柄を強く握り直そうとしたが
首筋に強い痛みを感じ大河は動きを止めた。
力を失ったと思われた鈴鹿の首が持ち上げられ、大河の首筋に牙を突き立てている。
「うぐっ、悪あがきを!」
痛みと同時に、熱いものが鈴鹿から流れ込んでくる。
抵抗できないまま、しばらくすると痛みは徐々に和らぎ、代わって熱さと
抗いがたい快感が大河の体へ侵食していく。
鈴鹿は、大河の首筋に口づけしたまま目を閉じた。
そして、熱いうねりに飲み込まれるように大河の意識は途絶えた。


目が覚めると大河はベットの上で寝ていた。
ああ、気持ちいい。こんなキレイなシーツのベッドで寝たのはいつ以来だろう。
最近は、手ごわい相手の仕事ばかりだったから、ろくな休息もなかった。
連戦に連戦だ。相手も邪鬼に、妖狐に凶悪な相手ばかりだった。
そして、鈴鹿だ。あの鬼女相手では、正直勝てないと思っていた。
最後に相打ちで、自分も命を落としたかと思ったが、なんとか生き延びた。
あの後、回復するのにかなりの時間を要したが。
それにしても爽快な寝起きだ。体中に力がみなぎっているような気がする。
大河は、シーツを押しのけて大きく伸びをした。
「んんっ、お姉さま起きたのですか?」
突然の思いもしない声におそるおそる隣に目を向けると、
全裸の女性が自分に寄り添うようにして目を擦っている。
大河の動きで目を覚ましたようだ。
「お姉さま、昨日はス・テ・キでした(ハート)」
だ・だ・だれが、お姉さまだ!
(儂じゃ)
混乱する頭の中で聞こえる鈴鹿の声を聞いた大河だった。


目が覚めた。
日が落ち辺りはすっかり暗くなっており、木々のざわめきと焚き火のパチパチという音だけが聞こえる。
見覚えの無い場所だった。
火に照らされた周囲の景色から、おそらく偽島のどこかだろうと思われる。
(また鈴鹿に乗っ取られたか…)
頭を抱えつつ、ふと傍らを見ると、二人の少女がスースーと寝息を立てていた。
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